「定年を迎えたら、とりあえず再雇用で働けば安心」
そう考えていませんか?
確かに、慣れた職場で顔なじみの仲間と一緒に働き続けられるのは大きな安心です。厚生年金を増やせる可能性もあり、制度も整っています。
しかし、多くの人が直面するのは “収入の激減”。
「ここまで減るとは思わなかった」と驚き、後悔する人が少なくありません。
この記事では、再雇用のメリットとともに、実際にどれくらい収入が減るのかをデータで見ながら、後悔しないために知っておきたいポイントを整理します。
なぜ多くの人が再雇用を選ぶのか?
まずはメリットから。
- 安心感
新しい職場に飛び込む必要がなく、これまで通りの環境で働ける。人間関係も構築済みだから余計なストレスがない。 - 厚生年金の上乗せ
再雇用中も厚生年金に加入できるため、将来の年金額を増やせる可能性があります。 - 制度が整っている
厚労省の調査によると、従業員21人以上の企業の99.9%が65歳まで働ける仕組みを導入。再雇用制度を持つ企業は約7割、希望すれば継続できるケースが多いのです。
そして実際、2008年の調査では、定年到達者のうち約56%が再雇用を選んでいたというデータもあります。
つまり、「安心だから選ぶ」人は多いのです。
安心の裏に潜む“収入の激減”
では、実際にどれくらい収入が減るのでしょうか?
調査データから見る現実
- パーソル総合研究所(2021年)
再雇用者の約9割が定年前より年収が下がり、平均で44.3%減。つまり ほぼ半減。さらに、年収が 50%以下に落ちた人は27.6%(4人に1人以上)。 - 厚生労働省データ(賃金構造基本統計)
- 55〜59歳の平均年収:529万円
- 60〜64歳:423万円(約20%減)
- 65〜69歳:338万円(約36%減)
モデル例
- 定年前:年収600万円(毎月40万円)
- 再雇用後:年収340万円前後(毎月25万円程度)
つまり、多くの人は定年前の6〜8割の収入に落ちるのが現実です。
「ここまで減るのか…」と驚く方は多いですが、これは決して珍しいケースではありません。
もらえるものはしっかりもらう:高年齢雇用継続給付金
もうひとつ押さえておきたいのが「高年齢雇用継続給付金」。
- 60歳時点より賃金が 75%未満 に下がった場合、条件を満たせば賃金の一部が補填されます。
- 給与の 最大10〜15% が上乗せされる仕組みです(到達時期によって変動)。
- ただし、制度は 2025年4月から縮小、将来的には廃止予定。それでも「もらえるうちはもらっておく」が鉄則です。
※注意:自動的にもらえるわけではなく、会社を通じて申請手続きが必要です。
後悔しないために考えておきたいこと
- 「慣れているから」で選ばない
→ 大事なのは「収入が生活に足りるか」を数字で確認すること。 - シミュレーションしてみる
→ 年金+再雇用後の給与で、住宅ローンや生活費をカバーできるか?
→ 足りない部分があれば、生活費の見直しや副業、別の働き方の検討も必要。 - 専門機関に相談する
→ 年金事務所やファイナンシャルプランナーに相談し、自分のケースで試算してもらうのがおすすめ。
選択次第で変わる未来
「とりあえず再雇用でいいか」と流されて選ぶと、数年後に「もっと考えておけばよかった」と後悔する人が少なくありません。
一方で、数字を直視して制度を活用し、自分に合った働き方を選んだ人は、安心感を持ってセカンドライフを楽しんでいます。
大切なのは「再雇用をするかどうか」ではなく、「自分の意思で納得して選んだかどうか」。
まとめ
- 再雇用は安心感がある一方で、収入は平均2〜5割減少するのが現実
- 高年齢雇用継続給付金など、もらえるものはしっかり活用する
- 生活が成り立つかどうかを試算し、「納得できる選択」をすることが大事
定年後の人生はまだ長い。
だからこそ流されず、自分で未来をデザインしていきましょう。
その一歩が、大きな安心につながります。


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