はじめに
60歳を迎えても働き続けるのが当たり前になった今。
「再雇用されたけど給与がぐっと下がった…」
「新しい会社に再就職したけど、思ったより給料が少ない…」
そんな声は少なくありません。
実は、こうした「定年後に収入が減る」状況をサポートしてくれる制度があるのをご存じでしょうか?
それが 「高年齢雇用給付金」と「高年齢再就職給付金」 です。
名前だけ聞くとややこしいですが、仕組みはとてもシンプル。
この記事では、この2つの給付金について「誰が対象?」「いくらもらえる?」をわかりやすく整理します。
1. まず整理!2つの給付金はこう違う
結論から言うと、違いは 「どこで働くか」 です。
- 高年齢雇用継続給付金
→ 定年後、同じ会社に再雇用された人向け - 高年齢再就職給付金
→ 定年退職後に一度失業手当を受給し、その後、別の会社に再就職した人向け
つまり「同じ会社か」「別の会社か」で対象となる制度が変わります。
2. 高年齢雇用継続給付金(同じ会社で再雇用された場合)
たとえば、60歳で定年になった後も、嘱託や契約社員として 同じ会社に再雇用 されたケース。
そのとき、給与が 60歳時点の75%未満に下がっていたら 給付金の対象になります。
もらえる金額の目安
- 給与が60歳時の64%以下に下がった場合 → 今の給与の10%
- 64%〜75%に下がった場合 → 下がり具合に応じて0〜10%
📌 具体例
60歳時点の給与が40万円 → 再雇用で26万円に下がった場合
→ 毎月およそ 2万3,000円 が給付されます。
受給できる期間
- 60歳から65歳になるまで
「給与が下がった分を少し補ってくれる」イメージの制度です。
3. 高年齢再就職給付金(別の会社に再就職した場合)
こちらは、定年退職後に一度「失業手当」をもらい、その後 別の会社に再就職 した場合の制度です。
条件は「再就職先の給与が60歳時点より75%未満に下がっていること」。
もらえる金額の目安
仕組みは雇用継続給付金と同じ。
給与の下がり具合に応じて0〜10%が毎月支給されます。
受給できる期間
- 失業手当の残り日数によって1〜2年(65歳までが上限)
条件の注意点
- 失業手当の残り日数が100日以上あること
- 再就職先で1年以上働く見込みがあること
- 再就職手当をもらっていないこと
再就職した人にとっては「ブランクを埋めるお守り」のような制度です。
2つの給付金の比較表
| 項目 | 高年齢雇用継続給付金 | 高年齢再就職給付金 |
|---|---|---|
| 対象となる人 | 定年後、同じ会社に再雇用 された人 | 定年退職後、失業手当を受給し、別の会社に再就職 した人 |
| 主な条件 | ・60歳〜65歳未満 ・雇用保険の被保険者 ・給与が60歳時点の75%未満に下がっている | ・60歳〜65歳未満 ・雇用保険の被保険者 ・失業手当の残日数100日以上 ・再就職先で1年以上働く予定 ・給与が60歳時点の75%未満に下がっている |
| 支給額 | 今の給与の 0〜10%(給与の下がり具合で決定) | 今の給与の 0〜10%(給与の下がり具合で決定) |
| 支給期間 | 60歳から65歳になるまで | 失業手当の残日数によって 1〜2年(65歳までが上限) |
| 申請手続き | 会社がハローワークに申請(本人申請も可能) | 会社がハローワークに申請(本人申請も可能) |
| 注意点 | 年金と同時受給すると、一部停止される可能性あり |
4. 注意!年金との関係
「給付金もらえてラッキー!」と思うかもしれませんが、実は注意点があります。
高年齢給付金を受け取ると、年金の一部が減額される場合があるのです。
特に「給与+年金+給付金」の合計が 51万円を超えると、年金の支給が一部停止 されるケースがあります。
→ せっかくの制度も「思ったほど得にならなかった」ということになりかねません。
年金と合わせて全体の収入を見直すことが大切です。
5. 申請はむずかしくない
申請手続きは基本的に 会社がハローワークに提出 してくれるので心配はいりません。
本人が希望すれば自分で手続きすることも可能ですが、必要書類をそろえるのは少し手間。
まずは会社の総務や人事に確認してみると安心です。
まとめ
- 定年後の収入が下がるときの支えになるのが「高年齢雇用給付金」と「高年齢再就職給付金」
- ポイントは「同じ会社で働くのか?別の会社で働くのか?」
- 給与が75%未満に下がったときに活用できる
- ただし年金との関係に注意
給与が下がっても「どうにかなる」と思える安心感は大きな支えになります。
制度を知っているかどうかで、セカンドキャリアの選択肢は大きく変わります。
👉 なお、今回は触れませんでしたが、失業した場合に受け取れる 「高齢者求職者給付金」 という制度もあります。
こちらは別の記事で詳しくご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。


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